(9)運動療法の実際
 毎日できる運動を考えましょう。

1.運動する時に注意すること

 運動は、ただたくさんすれば良いというものでもありません。安全が第一です。血糖が高すぎる人、高血圧、心臓病、重症の合併症のある人などは、運動が逆効果となることがあるので、事前に医師に相談をしましょう。また、運動は、血糖の高くなる食後1時間位から始めるのが良いでしょう。特に、経口血糖降下剤やインスリンを使用している場合には、空腹時の運動は低血糖の原因になることがあります。入浴も運動のひとつとなるので、なるべく食後に入るようにしましょう。運動の進めかたとして、準備運動、整理体操を行い、軽い運動から次第に強くしていきます。休養や睡眠を十分にとり、体調の悪い時は、無理せず休みましょう。
 服や靴は運動しやすいものを選び、靴ずれを予防するために厚手の木綿の靴下を用意して下さい。経口血糖降下剤やインスリンを使用している人は、運動の時にブドウ糖、糖尿病b手帳の携帯を忘れないようにしましょう。


2.どの位の強さの運動がよいでしょう

 自分で簡単に運動の強さを知るには、脈拍数を測る方法があります。左手首の内側のピクピクしている動脈に右手の3本指(ひとさし指、中指、くすり指)をのせて15秒間脈拍を測る。これを4倍すれば1分間の脈拍数が出る(左手で右の脈をとってもかまわない)。
 他に運動のめやすの出し方として、1回の消費カロリー80Kcal(1単位分)の運動を、1日3回食後に行う方法です。週1回のテニスやゴルフ、水泳などは、レクリエーションであり、運動療法とはいえないでしょう。毎日、手軽に続けられる方法に「速歩」があります。


3.速歩のすすめ

 ウォーミングアッブから、少しずつ無理なく進めていく方法をとりましょう。
 運動に慣れてきたら、少し汗ばむ程度の強さ(脈拍に注意)で、足を伸ばし歩幅を広くして歩きます。目標は、1回20〜30分間/1日2〜3回です。


4.その他

 インスリン注射や経口血糖降下剤の内服をしている人は、低血糖予防のため食前は避け、食後30分〜1時間に行います。また、合併症のある人は前もって医師に相談しましょう。準構運動、整理体操を行い、軽い運動から次第に強くしていきましょう。休養や睡眠を十分にとり、体調の悪い時は、無理せず休みましょう。いつもより激しいスポーツ等をする時は、前もって医師に相談しましょう。
 服や靴は、運動しやすいものを選びましょう。
 運動時は、ブドウ糖や糖尿手帳の携帯を忘れないようにしましょう