(13)足の手入れ(フットケア)について
 糖尿病の人は,神経障害による知覚低下や動脈硬化による血流障害を起こしやすく,細菌の感染に対して抵抗力も低下しています。その中でも,足は小さな傷や火傷に気づかないまま放置しておくと感染して化膿したり潰瘍になってしまい,さらに進行すると壊疽をおこし最悪の場合は切断という事になります。そうならないためには,足の観察,早期発見,早期治療が大切です。

1.足の観察

毎日,足全体をみる習慣をつけましょう。足の底は鏡を使うと便利です。
〈観察のポイント〉
@皮膚の色や足の形が変わっていないか
A爪の色や形が変わっていないか
B靴ずれ,傷ができていないか
C魚の目,たこ,水虫ができていないか
D乾燥してひび割れができていないか


2.入浴,足浴の方法

 ぬるめの湯(40度位)で刺激の少ない石鹸を使いましょう。軽石やブラシを使ったり,強くこすらないで指の間はていねいに洗いましょう。タオルで拭く時も強くこすらないようにして水分をよく拭きとりましょう。洗った後は,ひび割れや乾燥には保湿クリームを塗布しましょう。

3.爪の手入れ

 伸びた爪は,ひっかけて剥がれたり傷つけたりします。こまめに手入れしましょう。爪切りを使用する時は,皮膚を傷つけたり深爪にならないように注意しましょう。

4.靴と靴下の選び方

 靴は,足に合ったものを選びましょう。つま先がゆったりとして底のクッションが効いて縫い目の少ないものがよいでしょう。新しい靴は徐々に慣らしていき十分履き慣れたところで長い時間歩くようにしましょう。足の感覚の鈍い人は,つま先のあいているサンダルやイボイボサンダルは避けたほうがよいです。また,履く前に何も異物が入っていないか確認する事も忘れないようにしましょう。
 靴下は,自分の足をケガから守るため必ず履きましょう。材質は綿かウールが適していますが,通気性,保湿性,吸湿性のよいものを選びましょう。ゴムがきつかったりサイズがあっていない靴下で足を締め付けたりしないように足に合ったものにしましょう。