〜上手な運動の仕方〜
運動をすると主に次のような効果があります

【インスリンの働きを良くする】
「糖尿病の方には最も重要な血糖のコントロールがしやすくなります。」

【体脂肪が減少する】
「余分な体脂肪を減らすことは身体にかかる様々なストレスを軽減してくれます。」

【筋力をつける】
「筋力が強くなると太りづらい体質に変わっていきます。また,運動(例えばウォーキング)をつづけていく際にケガの予防になります。」

【日常生活が楽になる】
「体脂肪が減り,筋力が強くなると身体を動かすのが楽になってきます。また肩こりや腰痛などの予防や改善にもなり心身のリフレッシュにも効果的です。」

 以上のように運動は身体に様々な良い影響をもたらします。
しかしながらこれらの効果は短時間で現われるものではありません。
定期的に継続してこそ運動の効果は現われるものです。

では実際にどのようなことに気をつけて運動をしてゆけば安全で効果的なものになるかご紹介していきます。

ウォーキングのすすめ

【運動の種類?】
身体に無理なく手軽にできる運動としてウォーキング(速歩)をおすすめします。また筋肉をほぐし身体を柔軟にするストレッチングもあわせて行いましょう。

【どのくらいすればいいの?】
運動をどのくらいの量すればよいかは個人差がありますので必ず主治医の先生と相談しましょう。ウォーキングの場合「1日に◯◯◯歩 歩きましょう」というようにわかりやすい目標が立てられます。

【いつごろすればよいか?】
食後1時間から1時間半くらいの時間帯が理想的です。しかしながら,ライフスタイルの中で必ずしもこの時間帯に運動ができるとは限りません。この場合を想定して注意事項などあらかじめ主治医の先生と相談しておきましょう。

【運動中の注意事項】
@できれば安全に運動できり場所(公園など)で行いましょう。
A暑さや寒さのきびしい時には暑さ,寒さ対策が必要です。
B運動の前には水分補強を充分にしましょう。運動の前にコップ1杯の水を飲み,運動中
 は30分に1回程度ひとくちでも水を飲むようにすると良いでしょう。
Cブドウ糖・糖尿病手帳を携帯しましょう。
 

上手なウォーキングの仕方

マイペースで美しく歩こう
─正しいウォーキングのフォーム─
●目はやや遠くをみる
●あごは軽く引く
●腕を張り,背すじをのばす
●腕は軽く曲げて。前後にふると早く歩けます。
●脚はのばす。
●歩幅は無理のない範囲で広くする。
●しっかり踏み出す。
●着地はかかとから。

【上手な靴の選び方】
●つま先にゆとりがある。
●かかとにクッションがある。
●通気性がある。
●足によくフィットする。

ウォーキングのすすめ

運動の前後には準備運動と整理運動をしましょう。
ここではストレッチングをご紹介します。

【準備運動の効果】
運動を行う為に必要な筋肉の血行を良くし運動中のケガを予防します。また身体が軽くなり動かしやすくなります。

【整理運動の効果】
運動後の筋肉の疲れを取り除きます。疲労を慢性的にためてしまうと腰痛や膝痛の原因となります。

【ストレッチングの効果】
筋肉を柔らかくし関節の動きを滑らかにします。定期的に行うことで身体の柔軟性が増し筋肉疲労による障害(肩こり・腰痛・膝痛など)を解消します。

【ストレッチングの注意事項】
@動きに反動や勢いをつけずに行いましょう。
Aひとつの動作を20〜60秒行いましょう。
B呼吸を止めずにリラックスして行いましょう。

運動を継続する工夫

 運動は継続してこそ効果のあるものです。飽きずに3日坊主に終わらせない為のコツをご紹介します。

【目標を設定しましょう】
自分なりの目標をたてましょう。短期間と長期間それぞれの目標を設定するとよいでしょう。
他の人とは比較せずあくまで自分のペースで運動しましょう。

(例えば) 1日 ◯◯◯歩 歩く
          体重を2kg減らす
          血糖値を下げる   など

【効果を判定しましょう】
運動による身体の変化を判定しましょう。眼に見える変化だけではなく「身体が軽くなった」
「疲れづらくなった」「階段の昇り降りが楽になった」など自分自身の身体の変化に敏感になりましょう。

(他には)体重の変化
          体脂肪の変化
          歩く距離が増えた   など

【身体に疲れをためないようにしましょう】
疲れをためたままにしてしまうとケガの原因になります。
ストレッチングやマッサージなどで身体を常にケアしましょう。

ストレッチングプログラム

 ストレッチングは筋肉を柔らかくする効果があり,疲労の回復,心身のリフレッシュにも役立ちます。長時間同じ姿勢での作業などは,身体に大きなストレスをかけています。5分〜10分程度の休憩時間を設け,ストレッチングの実施をおすすめします。また,次の事に注意して行いましょう。

@呼吸を止めないようにしましょう。
Aひとつの動作を20〜60秒行いましょう。
B反動をつけずに行いましょう。

【首のストレッチ】
顔は正面を向け,頭を左右にたおします。

【背中】
手を組み,腕を伸ばしていきます。

【肩】
左手で右肘を頭に引き寄せます。
同様に反対側も行いましょう。

【胸】
椅子の背もたれをつかみ胸をひろげるようにします。

【腕】
右腕をカラダの正面で胸に引きつけます。
同様に反対側も行いましょう。

【腰】
椅子に座り,カラダを前にたおします。
次に上体を左右にひねりましょう。

【ももの裏側】
椅子に座り,膝をかかえこみ腿をカラダに引きつけます。
同様に左右行いましょう。

【おしり】
デスクに手をかけて上体を前にたおします。

【ふくらはぎ】
脚を前後に開き,ふくらはぎ,アキレス腱を伸ばします。
同様に左右行いましょう。