カナダ研修報告


<ウィメンズカレッジ>


Women’s Collegeでは2日間に渡って1型、2型それぞれに向けた研修会に参加しました。




初日、2型の患者様と一緒に、給食を頂きました。
ここは食堂につながった厨房です。
栄養士養成学校の学生も来ていました。
ここではカウンターで自分の好きな食品を好きなだけ選べます。
カウンター越しに栄養士がアドバイスをしますが、
あくまでも個人の意志を尊重し量の調節などの強制はしないそうです。
この日のメニューは主食にクラッカー、サンドイッチ、パスタ。
果物が数種類、バナナ、りんご、オレンジ、メロンなど。
茹でた野菜のサラダ,牛乳、コーヒー、ジュース。




食堂に貼ってあったポスターです。
「糖尿病を制するには量を制することから。」



 
ざっと施設内を見学させていただいた後、患者様と一緒の教室へ。
まずは2型糖尿病の講義です。
年齢も病歴も人種も様々で、初めて糖尿病を診断され、
医師に言われて仕方なく来た人も、ベテランさんもいます。
講義はかなり活発なやり取りが交わされていました。
積極的な国民性か、何週間も予約待ちでそれでも参加しに来たといういきさつのせいか、
机をまるくならべてお互いの顔が見える教室の環境のせいなのか。
講師は看護師と栄養士。
話しの持って行き方も具体的な話題もとても魅力的でした。みならわなければ。




ちょっと素敵な交流がありました。
2型の教室で事ある毎にワイン、ワイン、と騒いでいたリンゴ型体型の男性。
200本以上のコレクションをお持ちだとか。
今回初めて糖尿病のことを学びに来たそうです。
食事療法を初めとする講義を受けた感想を聞いてみました。
「とてもすばらしいと思った。今まで医師に血糖、中性脂肪、
肥満を言われてもしらんふりをしてきたが、
これを行うことで妻と今後も楽しい人生を送れるようになるのだから」
そして、翌々日も我々が来ることを知ると、
わざわざご自慢のコレクションの中の1本を持ってきてくれたのです。
そして、三澤先生から西陣織(なぜかイタリア製)のネクタイをお返しにプレゼント。



インスリンポンプとCGMSの説明会に参加。
実際に装着した1型糖尿病の患者さんは、
「夜間の低血糖を防ぐのに役立った」と話していました。


※CGMS:24時間連続血糖測定器=2472時間にわたって、10分毎に血糖値を測定



さて1型糖尿病患者向け講習会。
かなりサバイバルな内容に驚きました。
アルコールや菓子類の話しの中に、マリファナまで登場。
カナダでも違法ではあるそうですが、現実、利用経験者は多いそうです。
また、食事療法も尊種されにくいのは日本と同じようです。
そこで、これもまた見事なリンゴ型体型の25歳女性。見た目は10代のよう。
横浜にいたことがあるそうで、片言の日本語で挨拶をしてくれました。
食事療法について聞いてみると、まずは眉をひそめて「やっぱリ難しくて嫌だ」との返事。
でも「治療も一時放棄していたが、このままじゃいけないと思ってここにきたので、
今後は計算して食べるようにする」と明るく話してくれました。




また、おしゃれなのがMedic Alert 。
ブレスレットやネックレスなど色々なタイプが選べます。
いわば日本の糖尿病手帳?
でもこれならいつも身につけていても苦にならないですよね。


<トロント大学>



トロント大学の敷地内を散策してきました。
敷地内があまりに広い為、バスツアーもあるそうです。
今回は研修の合間をぬって行ったので、時間があわず、適当に歩いてきました。
とても古い建物がたくさん並んでいるのですが、みな感じが違います。
イギリス風のもの、スイス風のものなど様々でした。
あちこちに芝生や大きな木があるので、小動物もたくさんいて、
のどかな雰囲気のキャンバスでした。