カナダ研修報告


<バンチング博物館>


一番印象的だったのがBanting House National Historic Siteでした。
ここはBanting博士がインスリンを発見した場所だそうです。
博士にまつわる様々な遺品やパネルが展示されています。
CDA(カナダ糖尿病協会)の事務局でもあります。


 
 
 



一番感動的だったのはこの寝室。
午前2時、まさしくこのベットの上で博士がインスリンのしくみについて思い付いたそうです。
館長さんが、1歳の初めての子供が1型糖尿病を発症してしまった
という若い母親のエピソードを話してくれました。
館長さんが「クリネックス」を差し出すと、
「子供が病気になったとき、悲しみの涙はもうたくさん流しました。
今流しているのは感謝と喜びの涙です。だから私はもう涙をふきません」・・・感動!!目頭熱いです。
その場にいた全員、通訳さんも、館長さん自身も涙ぐんでしまいました。
糖尿病治療に携わる者として、私たちも希望を絶やさず歩んでいきたい。
そんな真摯な気持ちになった場所でした。




この塔には消えることなく火が燃え続けています。
この火は糖尿病という病気が根絶されたら、それを確認した人に消してもらう為の火だそうです。
この火が記念館のシンボルマークにも使われています。




   
この記念館の3階は大きめのフロアがあります。
そこで館長さんやホームドクターで糖尿病専門医のStewart Harris 先生と昼食を頂きました。
その後、Harris先生からカナダの医療や治療のガイドラインなどをレクチャーして頂きました。
カナダではまず自分のホームドクターをみつけなければなりません。
そこで専門病院に紹介してもらい、自分で予約をして受診します。
実際治療が受けられるようになるまでには3ヶ月くらいかかるそうです。
3ヶ月もあったら合併症も進んでしまいますよね。
Harris先生も早期治療の実現が必要、とホームドクターの勉強会で訴えているそうです。