カナダ研修報告


<マウントシナイセンター>


研修第一日目はSinai Centre でのプレゼンテーション。
Sinai Centerは臨床経験、患者教育、及び研究より糖尿病治療のリーダーとなるセンターです。

2002年の実績

外来治療 入院治療
治療 4000例 約200名を看護相談に紹介
看護 2000例 リハビリテーション施設
栄養指導 1000例 相談サービス
研究対象 1500例
年間約600名の新規患者に
教育サービスを紹介



    
写真は責任者のDr,Zinmanと。
「自分はコイズミヘアー」だと自己紹介してくれました。





左がヘレンさん。
マウントサイナイセンターの糖尿病スペシャリストナース・CDEで、
医療スタッフへの指導も行う方です。




まずは設備の見学を一通り。
ここでは看護師一人一人に専用の個室があり、
コンサルテーションもここで行います。



      
Sinai Centre ではセンターの概要やプログラム、サービスの概要を教えてもらいました。
カナダは多民族国家のため、多様な食生活、生活習慣、言語。
英語が使えない患者さんの為、中国語・広東語・アフリカの言語などの
通訳(ボランティア)を依頼することもあるそうです。
患者自身でどうありたいか、どう変化したら良いのか常に選択していくための指導をしています。
行動変容を促す為の理論・方法は独自にリサーチし、それに基づいて確立されたものがあります。
スタッフ教育もまた同様です。




朝食と昼食を職員の皆さんと一緒に頂きました。
両方ともサンドイッチとフルーツに、コーヒーやジュースなどのドリンクのみでした。
サンドイッチは野菜サンドはまだ良い方でしたが、ハムやチーズ、ツナなどが
それぞれ厚さ2〜3cmのボリュームで挟んだものが多かったです。
これはガイドライン通りの栄養バランス実現は難しいと実感。
たくさんのスタッフの方に来て頂いたのに英会話に慣れない私たち、半硬直状態。
三澤先生も「(女性がいっぱいで)なんか、苦手な雰囲気だった・・・。」
でも、(一部)がんばりました。
こちらからの「糖尿病は好き?」の質問に、笑顔で「ええ!」と彼女達。
なんてすてきな笑顔!世界的のも糖尿病患者は増加の一途をたどっている昨今、
場所は違えども、同じ道を歩いている仲間が出しているポジティブなエネルギーが
今でもとっても快い刺激になっています。



   
さて、午後からは眠くなる暇もなく自分達のプレゼンテーションの番です。
Dr三澤のお話は、いきなりアイヌ民族の話しに始まり、北海道は魚が良く獲れるところなど・・・。
結局、NPH製剤の原料のプロタミンは、北海道のニシンから多くを供給している・・・
という糖尿病関連のオチが。
カナダでは薬剤師さんはチーム医療に加わっていないそうです。
薬剤師との連携がとれているというのは、日本の医療の良いところですね。




この方はカナダの栄養士です。
栄養指導では炭水化物のみを計算する方法を教えて頂きました。
炭水化物だけを計算するやり方がある、と言うことは知ってはいましたが、
日本の栄養士としては、とても不安を感じていました。
でも話しを聞くと、最終的に目指している理想的な食事内容は同じでした。
食品分類も日本の食品交換表に似たものがありました。
私はCarbohydrat Countingのほうがなかなか飲み込めなくて難しく感じました。
私は自分の食品交換表を持参したので、それを見せると、先方も難しいですね、とのご感想。
これは慣れの問題かもしれません。
また、市販食品の成分表示にも、Carbohydrat Countingに使う、
単位(serving 15gの炭水化物の事)の表示がされています。
国を挙げて、取り組んでいるのですね。


   
これがカナダのフードガイド。
食品の分類が日本とほぼ同じですが果物と人参や南瓜が一緒のグループに。
カナダの果物は全然甘くないので、野菜と一緒でも支障がないのかもしれません。
酸っぱいりんごが、三澤先生のお気に召したそうです。