萬田院長のデンマーク萬遊記V

 

2000年5月28日より6月4日まで北欧の国デンマークへ糖尿病研修に行って来ました。成田出発当日は、真夏のような気候で元気に飛行機に乗り込みました。11時間30分のフライトを無事に終え、デンマークのカストロップ空港に降りるとそこは、札幌に舞い戻ったかと思えるほど気温、湿度、景色がそっくりで、初めての国とは思えず何か不思議と親近感を覚えました。
 

 

空港よりコペンハーゲン市内までは、車で約30分程度で到着し、そこから更に北へ走りビドーレという宿泊施設に到着しました。ここは、以前デンマーク王女の別荘だったそうで、今は研修宿泊施設となっている所です。部屋からの景色は、大変良く窓からはすぐに海が見え、ヨットが浮かんでおりました。海の遠い向こうには、スウェーデンがかすかに見えていました。この時期デンマークは夜11時頃まで明るく、朝は4時頃に日が昇るので睡眠不足となりました。ですから、一日が非常に長くいろいろな人と一日中ディスカッションをすることができました。 まず初めに、ステノ糖尿病センターの主任医師であるKnut Borch-Johnsenと「Type1、Type2」の話しや「日本の医療制度とデンマークとの違い」、また「食文化の違い」や両国共に「肥満患者が急増していること」など多くの情報交換ができました。
 

翌日は、ステノ糖尿病センター長のThomas Mandrup-Poulsenより、ステノの現状や診療内容について詳しく説明していただきました。
 

 

 

 次にハゲドーン研究所へ行き、所長のPierre De Meytsにお会いして「インスリンの構造」、「インスリンレセプターの研究」などの講義を受けました。また、世界各国の医師がこの研究所で研究しており、日本からも東京女子医大出身の女医さんがいました。観光は、あまり見て回りませんでしたが、やはりデンマークと言えばアンデルセンの「人魚の像」と「チボリ公園」、そしてシェークスピアのハムレットで有名な「クロンボウ城」でして、そこらはしっかりと写真を撮って来ました。

 

 

最後に、デンマークに行き感じたことは、デンマーク人は非常に親切で世話好きな国民で、日本人と違い国際派な国民だと感じました。人口540万人の小さな国ですが,さすがにバイキング発祥の地でもあり長い歴史を感じました。次に、デンマークでも肥満が大きな問題であることが実感としてわかりました。このことは、アメリカでも感じたことですが。今後、日本人も西洋料理ばかり食べていると10年後20年後にはあのような肥満になるかと思うと空恐ろしいものを感じて帰って来ました。何とか、食生活を和食中心にし、そしていつまでも運動を続けられるように指導しなければならないと感じました。皆さんも是非、親日派の国デンマークへ行って見てください。