デンマーク研修報告
研修報告
研修の行程
日時 | 行程 | 目的 |
4月30日 11:15 (日本時間) 16:15 (現地時間) |
成田発 コペンハーゲン着 |
デンマーク入国 |
5月1日 11:00 | ノボノルディスク本社着 | 「デンマーク医療の現状」 聴講 |
5月2日 9:00 12:45 |
ノボノルディスク社工場着 Glostrup大学病院小児科 |
見学 「デンマークにおける1型糖尿病の現状」を聴講 |
5月3日 8:30 | Dumus Hagedorn 着 | ステノ研修コースの受講 |
5月4日 9:30 15:00 |
Gentofte大学病院足病クリニック着 | 2名の患者紹介とケース・スタディ |
ステノ糖尿病センター着 | 見学と妊娠の聴講 | |
5月5日 17:45 | コペンハーゲン発 | デンマーク出国 |
5月6日 11:35 (日本時間) |
成田着 |
デンマークの医療・福祉は社会保険ではなく、高い税金を財源とする社会保障制度の下で展開され、医療は県の仕事で、福祉は市町村の仕事です。家庭医による診察や入院治療は無料ですが、薬代は自己負担となります。デンマークの人口は541万人で、1型糖尿病は約2万人おり、糖尿病専門医が管理しています。2型糖尿病は約11万人で、
主に家庭医が管理しています。デンマークの平均余命は女性77.5歳、男性72.5歳と日本とひらきがあります。人種の違いや魚の消費量が少ないのが原因と思われます。生活習慣病の増加は全世界的傾向ですが、入院待ち期間の長いことは日本にはない問題です。2007年から医療を含めデンマークの構造改革が始まるとのこと。
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Glostrup大学病院小児科Birthe
S. Olsenさんによる「デンマークにおける1型糖尿病の現状」を聴講しました。インスリンポンプの小児1型糖尿病は1日6〜8回のSMBGとインスリンを希釈することで良いコントロールが得られているとのこと。頻回注射群はデタミアを1日2回で使用しランタス1回より良いと言っていました。1型糖尿病でグルテンに対する自己免疫性下痢が10%に出てくるとのことです。
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ステノ糖尿病センター
1 糖尿病の専門病院
1)臨床活動
5500人/年(新患600-700人)
外来患者の相談は約25000件/年(医師、ナース,栄養士など)
2)サービス内容
臨床検査部門
病棟(14ベット):5日間の入院施設
Outpatient
clinic
Type2 diabetes
clinic
Adolescence
clinic
Pregnancy clinic
24h telephone
service
Home visit
service
Eye clinic
Foot clinic
Social adviser
3)臨床スタッフ
専門医(8)、研修医(8)、ナース(25)、栄養士(4)、臨床検査技師(20)、秘書(10)、足病治療士(2)
社会福祉士(1)、パートの眼科医、婦人科医師、整形外科医、血管外科医
2
基礎的・臨床的糖尿病研究で世界的にも有名な施設
1型糖尿病の病因、2型糖尿病の病因、糖尿病腎症や心血管合併症について
3 国際的な糖尿病教育センター(ステノ教育センター)
実地臨床的糖尿病学(6/年):デンマーク、インドなど、ステノ・シンポジウム(1/年)、
Update course in China (4/年)、Research course in India(2/年) |
ステノ研修センターでの光景
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Ebbe先生による講義遠景
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19時でも明るいDinner
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春の陽光の下、Peter Rossing先生と昼食
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Ebbe先生へ前掛けを贈呈
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今回のステノ研修センターコースのプログラム
・ 9:00 はじめの挨拶(Ebbeさん)の後、糖尿病診療に関する各参加者の発表6つ ・ 10:30 糖尿病チーム診療について(Metteさん、Ebbeさん) ・ 13:15 Targeting hyperglycemia in type1 and type2 Diabetes (Ebbeさん)、 Targeting microvascular complications (Peterさん) ・ 15:20 Targeting macrovascular complications (Peterさん) ・ 16:10 診療の質の確保についてのグループワーク(各参加者) 「あるクリニックに通院sる4,000人の患者の30%がHbA1c9%以上なので 改善する必要がある」という設定でよく話し合ってIndicator,Outcome (level of indicator)、Process(which actions to perform and how often)、 DeadlineならびにBarriersを60分間で記せという課題であった。 今後の我が国の糖尿病クリニックにとって多いに参考になる宿題となった。 |