萬田院長のカナダ萬遊記Y  

                     


  
2002
年7月13日より7月20日まで初めてカナダのトロントとモントリオールに行ってまいりました。

今回の訪問目的は、1921年世界で初めてインスリンが発見されたトロント大学を訪問することと、すでにカナダでは治験が行われている吸入式インスリンのデバイスについて、情報を聞きにモントリオールのマギール大学ロイヤル・ビクトリア病院を訪問することでした。7月13日成田空港より夕方6時にバンクーバーに向かって出発し、バンクーバーよりカナダ国内に入国しその後飛行機でトロントに向かいました。トロントには当日7月13日の夕方7時26分に到着しました。

トロントはまだ明るく、非常に暑い日でした。トロント市の人口は約480万人、カナダで最も人口の多い都市で街中活気溢れた大都市でした。いろんな人種が多くアジア人もたくさん見受けられました。

翌日7月14日は日曜日でナイアガラの滝へ観光旅行をしました。ナイアガラは天気が非常に良く、カナダ滝・アメリカ滝をヘリコプターで見ることができました。

 

翌7月15日月曜日、午前中はトロント大学の歴史巡りツアーに参加しお話を色々と聞きました。トロント大学は1827年の創立で、街の中にキャンパスがあるので、街のいたるところに大学の歴史的建物がみられ、街自体がトロント大学のような大きな大学でした。また、全世界から留学生を受け入れられており国際色豊かなキャンパスでした。午後よりトロント大学医学部付属病院のひとつマウントサイナイ病院内分泌糖尿病外来のフロア−に行きBernard Zinman先生、並びにL.G. Fantus先生にお会いすることが出来、一緒に日本食を食べながらお話することが出来ました。L.G. Fantus先生は1994年神戸で開かれたIDFに参加されたとのお話でした。 カナダでの糖尿病の状況、インスリン治療の状況、吸入式インスリンの使用経験、患者教育に対するチーム医療の実際、また日本でも近々発売される予定の超遅効型インスリンのお話などを聞くことが出来ました。その後、マウントサイナイ病院およびバンチング・アンド・ベスト研究所の中を案内してもらいました。Banting先生が優れた画家であったことも教えていただきました。

 

その後、トロント空港を夕方の5時に飛行機で出発しモントリオールに約1時間で到着しました。モントリオール市はカナダ2番目の大都市で、人口は約350万人の大都会でした。ここのマギール大学は医学部で有名なところで、その医学部の付属病院であるロイヤル・ビクトリア病院を訪れる事がモントリオール訪問の目的でした。

 

翌日7月16日火曜日、午前中にモントリオール旧市街を観光したあと、午後1時にJean-FrancoisYale先生にお会いするために病院を訪れました。 Yale先生の診察室で1時間ほどカナダでの糖尿病の状況について詳しいお話を聞くことが出来ました。糖尿病の治療状況、患者教育、病診連携について、また吸入式インスリンの使用経験、今後の治験計画などをお話していただきました。またラ氏島移植についても Yale先生たちの計画についてお話がありました。その後、実際に診察室、検査室などを見学させていただき、吸入式インスリンのデバイスを実際に見せてもらい、使い方などを詳しく説明していただきました。

 

 

トロント大学付属マウントサイナイ病院のL.G. Fantus先生、Bernard Zinman先生ならびにマギール大学付属ロイヤル・ビクトリア病院のJean-Francois Yale先生に、いろいろとお話を聞くことができ非常に光栄でした。毎年、世界中のいろいろと有名な糖尿病医療施設に行き糖尿病を研究しておられる御高名な先生方とお会いし情報交換をしているわけですが、今年も非常に有意義な出張で新しい知識を得て帰国することが出来ました。その後、ボストンを経てニューヨークのJFKより13時間半かかり成田に到着し無事に帰ってきました。

今後、糖尿病教育や新しいインスリン治療についてカナダで得た知識を日本の患者様方や医療従事者に広く報告し糖尿病治療に役立てていきたいと思います。