第55回日本糖尿病学会年次学術集会報告

第55回日本糖尿病学会が5月17-19まで横浜において開催されました。
パシフィコ横浜を中心とする施設で、医師・看護師・栄養士・薬剤師他
約15000人の参加者を集め盛大に開催されました。
 

 

                                                                                  

 

 

 

 

 

 

 

今年の会場はかなり広い会場が多かったのですが、それでも興味あるセッションでは会場から人 が
溢れる状態となり、学会運営のむずかしさを感じました。                                 
 

ポスター会場では3日間全ての演題が初日からずっと張られた状態で米国糖尿病学会や
欧州糖尿病学会を思わせる規模でした。

DPP-4阻害薬やGLP-1作動薬の登場から約2年半。
今や2型糖尿病治療には欠かせない薬剤となっていますが、
今回の学会でもその中心はやはりこれらのインクレチン製剤でした。

それが効かない人、長期の安定性、臨床的・基礎的話題満載でした。
はじめは順調に効いていても徐々に効かなくなってくるという現象もあり、
インスリンとDPP-4阻害薬の併用も広く行われコレに関する演題も数多くありました。

また、最近話題になっている「糖質制限食」に関するディベートからコンセンサスへセッションが行われ、
(コレも人が会場から溢れていましたが、)支持する立場と支持しない立場よりの討論の末、
糖質制限食を糖尿病治療食の一つと始めて認め一応その目安を130g/日程度とするというまとめがされました。

また特に1型糖尿病の食事療法として取り上げられつつあるカーボカウントのセッションも大きな人気で、
いきなり炭水化物量に合わせてインスリンを変えるのではなく、現在の血糖高値をまず是正することから
はじめることが大切といわれていました。

当院からも6題の演題が発表されました。

「2型糖尿病患者に対するシタグリプチン50mg投与し効果不十分例からアログリプチン25mgへ
変更効果についての検討」                                                                   土田医師

「インスリン治療からリラグルチド更にシタグリプチンへ変更し良好な血糖コントロールを得、
CGMで確認しえた2型糖尿病の1例」                                                       坂東医師

「高齢者糖尿病患者への介護施設入居支援状況とMSWの役割」          滝田MSW

「インスリンからリラグルチドへの変更による血糖コントロールの変動」       葛葉薬剤師

「良好な2型糖尿病の治療中に診断された膵管内乳頭粘液性腺癌の2例」    萩原医師

「Sitagliptin投与後1年経過した2型糖尿病症例の検討」               種田医師


萬田院長と種田医師はその前日の評議員会に出席しています。          (文責 種田)